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田無駅北口に国産小麦のベーカリー 親子二人三脚で経営、連日完売

店頭に立つ磐城菜穂子さん(右)と、製造を中心に手伝う娘の千尋さん(左)。店名は「近隣の幼稚園や小学校のお子さんにも親しんでもらいたい」と、可愛らしいネーミングに

店頭に立つ磐城菜穂子さん(右)と、製造を中心に手伝う娘の千尋さん(左)。店名は「近隣の幼稚園や小学校のお子さんにも親しんでもらいたい」と、可愛らしいネーミングに

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 西武新宿線・田無駅北口から徒歩4分の通り沿いに12月7日、「BAKERY KUMACO(ベーカリー クマコ)」(西東京市田無町4)がオープンした。北海道産の国産小麦を使った無添加の生地で「日本の昔ながらの素朴な味わいのパン、毎日食べても飽きないパンを」と、焼きたてが並ぶ。

クロワッサン(180円)を買い求めに「ひばりが丘から、開店時間に合わせて来た」という人も

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 同店は、青梅街道の一本裏、駅前の商業エリアから住宅街に向かう人が主に使う旧商店街にある。店主の磐城菜穂子(いわきなおこ)さんの両親がクリーニング店を営業していたが2011年ごろから空き家になっていた。「両親が2人でお店を開いた大切な場所。空き家のままにせず何かしたい」と開業を決心し、店舗兼アパートとして建て替えた。菜穂子さんは、パン作りや裁縫などもの作りが好きで、カフェを開きたいという夢もあったことから、それまで10年以上勤めた会社を退職。それを見た娘の千尋さんも仕事を辞め、飲食業での経験を生かして手伝うことに。2人でプロとしてのパン作りを学び、オープンに至った。「地元なので、幼少期から知っているご近所さんは『いつ田無に戻ってくる?』と楽しみに声を掛けてくれる。自分のやりたいこと、好きなことで皆さんに喜んでもらえて、この地を守れたらうれしい」と話す。

 10平方メートルほどの店内は、千尋さんが森をイメージしてデザインした。厨房(ちゅうぼう)と販売スペースのほか、奥に8席の椅子とテーブルが並ぶ。自らイメージを描き起こし、緑色の壁面に映える大きなドライフラワー・ボードや、入り口上部のハーバリウムも製作したという。そろいの制服は、縫製が得意な菜穂子さんによる手作り。シックな色合いのシャツ、白地のエプロン、帽子も全て手掛けた。

 オープンから2週間近くたつ現在も開店待ちの列ができ、閉店前に完売、早くもリピーターがつくなど評判を呼んでいる。人気のパンは、中がふわふわ、生地の丸さにこだわった「さくさくメロンパン」(160円)、オリーブオイルで焼き上げさっぱりとした風味の「焼きカレーパン」(250円)。3つの焼き窯がフル回転している中、「焼き上がりのタイミングで、お待たせしたり目当てのパンが品切れしたり、ご不便をかけて申し訳ないが、焼きたてを味わってもらいたい」と話す。「焼き上がりを待つお客さま同士の会話も生まれている。皆さんの交流のきっかけになりうれしい。ゆくゆくは、天然酵母のパンやサンドイッチも販売したい」と抱負を語る。

 営業時間は11時~17時。水曜・日曜・祝日定休。ホームページは2019年開設予定。取り置きや予約は受け付けていない。

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