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東村山・くめがわ電車図書館で「夜桜開館」 好評得て2度目、グッズ販売も

ツートンに塗り替えた「くめがわ電車図書館」(3月18日撮影)。周囲には桜並木が広がる

ツートンに塗り替えた「くめがわ電車図書館」(3月18日撮影)。周囲には桜並木が広がる

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 「団地の中に佇(たたず)む電車」として鉄道ファンや地域住民に愛される「くめがわ電車図書館」(東村山市美住町1)で3月30日、桜の開花時期に合わせた特別イベント「夜桜開館」が行われる。

2月に行った「塗魂ペインターズ」による塗装作業の様子

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 「くめがわ電車図書館」はまだ市内に市立図書館ができる前から運営している地域文庫で、2017年に開館50周年を迎えた。2014年には「東村山50景」に選ばれ、翌年は女優・樹木希林さんの最後の主演作となった映画「あん」にも登場。東村山を象徴する場所として親しまれている。

 西武鉄道から廃棄車両を譲り受けた現在の車体は2代目で、1971(昭和46)年製の「西武旧101系クハ1150」。座席やつり革は現役時代のまま、車両1両分のスペースに絵本や小説など5000冊の蔵書が並ぶ。市の管理ではなく付近の住民などボランティアの手で運営しているため、開館するのは週2日の限られた時間のみ。清掃や修繕などは「くめがわ電車図書館応援団」と呼ばれる有志たちが行っている。

 運営に携わる住民らから依頼を受けてイベントを企画した交通系サークル「東村山交通局」の河野貴大さんも応援団の一人。「昨年初めて開催したが、予想以上に多くの方が足を運んでくれた。ただ桜がかなり散ってしまっていたので、そこが心残り。今年はきれいな桜が見られるのでは」と期待を寄せる。

 当日は撮影会用に、通常「くめがわ電車図書館」と表示されている方向幕には西武線を走っていた時の行き先や運行区間を表示するほか、「急行」「快速」などの種別板をつり下げる。どちらも現在はLEDなどで表示することが多いため、アナログ版を見られる機会は希少だという。

 記念グッズとして、車号板を模したアクリルキーホルダーや特製クリアファイル、現在は目にする機会の少ない厚紙でできた切符「硬券」を台紙付きで販売する。購入した硬券はダッチングマシンで日付を印字し、「改札パンチ」と呼ばれるはさみで切り込みを入れる体験も。

 河野さんは「車体の塗装は『塗魂ペインターズ』の皆さんに協力いただき、2月に塗り直したばかり。101系車両デビュー当時の塗装色であるイエローとベージュのツートンカラーになってからは初めてのイベントで、楽しい時間になると思う」と話す。「こうして地域文庫が残っていること自体が貴重。もっと多くの人に電車図書館のことを知ってほしい。長く続けてもらうためにもグッズ販売の利益は運営費として寄付し、これからも応援していきたい」とも。

 開催時間は17時~19時。雨天決行。無料シャトルバスの運行も予定する。

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