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東村山の「地元デリバリー」が3周年 いろいろな店の料理を一度に配達

代表のアクバリ・ホセインさん

代表のアクバリ・ホセインさん

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 加盟店の料理を東村山近隣に配達する「地元デリバリー」(東村山市本町4)が2020年4月にサービスを始めて間もなく3周年を迎える。

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 「イランでは水1本でも配達してもらえる」と代表のアクバリ・ホセインさんは話す。ホセインさんは2012(平成4)年、大学卒業後にイランから来日。日本の企業に就職後に独立して、主に貿易業などを営んできた。

 日本はさまざまなことが先進的な国だが、配達業については「欧州や中東諸国の方が便利」だという。イランでは店が専属スタッフを常駐させ、「電話一本で配達するシステムができ上がっている」とホセインさん。

 コロナの影響が顕著になり始めた2020年1月。ホセインさんは、自身が手がける貿易業の商品確保が難しくなり今後を思案していた。そんな中、地元の飲食店従事者から「売り上げが落ちて厳しい」と聞かされた。真っ先に頭に浮かんだのが母国の配達システムだった。「自分になら何かできるかもしれない」――視界が開けた瞬間だった。

 同市には約500店の飲食店がある。各店は、それぞれ違った個性と魅力を持っている。「ネットを使った既存の配達サービスは便利だが、高度にシステム化され過ぎていて、店の魅力を細かく客に伝えるのは難しい。加えて、忙しさとは関係なく入る注文に店側は絶えず対応しなければならず、オペレーション負荷は高い。配達の重要性は店も理解しているが、実際の現場では目の前の来店客が最優先。既存の配達サービスは、こうした都合は考慮されない」という。

 ホセインさんは、まず市内の店に呼びかけ加盟店を募った。自分のよく知る店ばかり。店主の顔も店の魅力も熟知しているホセインさんが客の元へ届ける。「料理だけでなく、魅力も一緒に届けられれば」と意気込む。

 各店が提供する配達専用の料理をメニューにし、客はそこから選んで電話やファクス、LINEなどで注文。注文は前日の18時で締め切り、翌日の10時30分~12時の間に配達する。

 「こうすることで、店側は空き時間に準備ができる。数量も分かり、ロスも最小限に抑えられる。客にとっては、別々の店からさまざまな商品を選べ、満足感が高い」とも。メニューは毎週更新し、季節商材などを盛り込み飽きさせない工夫を凝らす。

 ホセインさんは「大切なのは時間」と話す。「配達とは『時間』を届ける仕事。節約した時間を、自分や家族のために使ってほしい」と笑顔を見せる。

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