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小平で彫刻の作り方学ぶ企画展 代表作「鏡獅子」の制作途中版初公開

2階では田中が実際に使用した彫刻道具も展示

2階では田中が実際に使用した彫刻道具も展示

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 小平市平櫛田中彫刻美術館(小平市学園西町1)で現在、彫刻の作り方を学ぶ企画展「平櫛田中の彫刻道場」が開催されている。

木材による質感の違いを説明する館内ガイドの様子

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 明治から昭和にかけて数々の作品を制作した平櫛田中は、1970(昭和45)年に同所へ移り住み、晩年の約10年間を過ごした。同館では旧宅を公開するとともに、1994年に建てられた展示館で田中が遺した彫刻や書、資料を中心とするさまざまな展示を行っている。

 同展では「彫刻の作り方が分からない」という人向けに、作品を楽しみながら学べるよう、地下1階から2階までの各展示室をテーマ別に配置。1階フロアでは木彫や木彫彩色の作品、2階フロアでは石膏やブロンズ作品などを展示。普段は見られない鋳造法の資料や「星取り機」と呼ばれる特殊な器具を間近に見ることができる。地下1階では代表作「鏡獅子」の制作途中版を初公開。数多くの試作品を有する同作品の中でも、貴重な資料となっている。

 6月22日には、1回目となる館内ガイドが行われた。説明を担当した同館の高橋典子さんは「全く同じ形に彫るということは本来とても難しいが、石膏で元の形を作り、『星取り機』という道具で木材に形を写し取る『星取り法』によってそれが可能になっている。本展では多種多様な木材で作られた同じ形の像を展示しているので、木による表情や風合いの違いを感じていただけると思う」と話す。館内ガイドは7月27日と8月25日にも予定する(11時~・13時30分~、予約不要)。

 同館の係長で学芸員も務める藤井明さんは「彫刻の作り方に焦点を当てた企画展は、当館でもまれ。木彫だけでなくブロンズの鋳造についても触れているので、彫刻に造詣が深い方にも興味深く見ていただけるのでは」と期待を寄せる。

 開館時間は10時~16時。観覧料は、一般=300円、小・中学生=150円(別途団体価格あり)。火曜休館(祝日の場合はその翌日)。9月9日まで。

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