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西東京で「空き家からまちづくりを考える」シンポジウム 12月にサイトリリースも

市内外で活動する市民も多く参加。まちづくりへの意識も高まる

市内外で活動する市民も多く参加。まちづくりへの意識も高まる

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 西東京市の空き家対策を考える有志グループ「ウエスト東京空き家ラボ」(通称「アキヤラボ」)が11月16日、「西東京市の空き家からまちづくりを考えるシンポジウム」をコール田無(西東京市田無町3)で開催した。

パネルディスカッションでは建設業・不動産業・交通運輸業・駄菓子店・農のコミュニティーなど、多様な業種から意見交換が行われた

 空き家の何が問題かを知り、空き家を魅力ある街づくりに利活用する方法を考えるもの。西東京市が2017年に発表した調査によると、市内の住宅総数3万8398棟に対し1.7%(57件に1件相当)、699戸の空き家があるという。

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 「アキヤラボ」のメンバーは、岡庭建設専務の池田浩和さん、岡庭不動産課長の澤幡英城さん、三幸自動車社長の町田栄一郎さん、駄菓子店「ヤギサワベース」店主の中村晋也さん、西東京農地保全協議会・通称「ノウマチ」事務局長の若尾健太郎さん、エフエム西東京の飯島千ひろさん、ヤギサワバル店主の大谷剛志さんの7人。

 メンバー間の相談をきっかけに、2017年9月に「空き家会議」を始め、市民や有識者の協力を得て利活用例の見学や話し合いを重ねた。今年5月には「西東京市空き家等対策の推進に関する協定」を市と締結し、6月には国土交通省「地域の空き家・空き地等の利活用に関するモデル事業」に選ばれるなど信頼される仕組みづくりにも取り組んでいる。

 当日の参加者は100人に上った。空き家の問題を知り、国や市との連携や制度整備のほか、借り手・貸し手・利用者の視線での「魅力ある空き家の利活用」についても共有する時間となった。

 前半は、東京都都市整備局住宅政策担当部長の澁谷(しぶたに)浩一さん、価値総合研究所主席研究員の小沢理市郎さんによる基調講演。後半は、同グループのメンバーらによるパネルディスカッションを行った。

 澁谷さんは「東京都は民間賃貸物件が多く、高齢者の入居制限や子育て世帯に適した住宅が不足している」点を指摘。東京都の今後10年間の目標の一つである「活力ある持続可能な住宅市街地の実現」に向け、住宅や空き家の状況や意向調査、都が行う空き家の活用事例や対策支援事業を紹介した。

 小沢さんは「空き家と事業、まちづくり」を「用途×空間×時間」の視点で捉え、事例と共に紹介。「人ごとでなく『地域事・自分事・物件事』として考えることで、地域や用途ごとに価値ある空間や時間が創出できるのでは」と説いた。

 後半のパネルディスカッションでは、異業種のメンバー5人が、それぞれの立場から空き家を利活用するアイデアや思いを熱く語った。西武柳沢駅付近で店舗を借り、駄菓子店兼デザイン事務所「ヤギサワベース」を営む中村さんは「空き家の利活用で、ワクワクを生み出す街にしたい。単なる物件のマッチングではなく、人や思いをつなぎ、楽しく魅力あるまちづくりにつなげたい」と話した。

 進行役を務めた小沢さんは「こういった活動が、ユーザーである市民や事業者から信頼・応援されるよう皆さんも応援してほしい」と締めくくった。

 12月には、空き家についての情報やアイデア、相談窓口のマッチングサイトを正式にリリース予定(現在はプレリリース中)。物件やアイデアのマッチングを、創業支援や潜在顧客開拓の機会創出にもつなげたい考え。