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東久留米の特産「柳久保小麦」が収穫期に 黄金色の穂たわわ

柳久保小麦畑の様子。収穫時には130センチメートルほどに成長する

柳久保小麦畑の様子。収穫時には130センチメートルほどに成長する

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 東久留米の特産「柳久保小麦」が6月初旬から下旬にかけて収穫期を迎える。昨年11月に種をまき黄金色に染まりつつある麦畑は、見る人に夏の訪れを感じさせる。

柳久保小麦を使ったかりんとう

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 柳久保小麦は江戸時代に、現在の東久留米市柳窪に住んでいた奥住又右衛門(おくずみまたえもん)が旅先から持ち帰り、東久留米市で栽培したのが始まりだと伝わる。背丈は一般的な小麦より高く、取れる粉は粘り気があり、香りが豊かという特徴がある。戦前まで東京各地や神奈川など近隣県でも栽培し、主にうどんなどに使われるほか、草丈が長いという特徴を生かして麦わらは農家の「わら屋根」にも利用されてきた。

 戦時中の食糧増産や戦後の政府の政策などにより一時は姿を消したが、又右衛門の子孫が農研機構から「東久留米市内で栽培すること」を条件に種を300粒譲り受け、1985(昭和60)年ごろに復活させた。現在では17軒の農家が栽培し、年間約5トンを収穫している。

 市では地域の特産化を目指し、行政、JA、生産者、柳久保小麦の会らが協力して柳久保小麦を使った麺類・かりんとう・まんじゅう・おやき・パンなどを作り、普及活動を行っている。市内には、実際に柳久保小麦を使ったうどんやラーメンが食べられる店も。

 柳久保小麦は「病気に強く、無農薬で育てられる」という点や都市農地の保全にも役立つことから、作物として育てたいという声が年々多くなっているという。柳久保小麦の会代表の高橋重雄さんは「今後も柳久保小麦のおいしい食べ方を模索したい」と話す。

 柳久保小麦の収穫ポイントは、市特産品PRマップ「東久留米大好きっ!」で確認できる。

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