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西東京で古井戸再生プロジェクト 地域にシェアし「リアル井戸端会議」目指す

リアル井戸端会議のイメージイラストはクラウドファンディングのために描き下ろされたもの(絵=指田ふみさん)

リアル井戸端会議のイメージイラストはクラウドファンディングのために描き下ろされたもの(絵=指田ふみさん)

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 西東京市在住の菊池ゆかりさんが自宅の古井戸を再生し、「リアル井戸端会議」を目指すプロジェクトが始まった。8月19日からクラウドファンディングを活用し、井戸の工事費を募っている。

古井戸の電動ポンプ部分

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 「生まれも育ちも保谷」の菊池さんは、社会福祉士として市内に住む高齢者などからの相談を受ける中で、地域や近所とのつながりの必要性を感じてきた。井戸に着目したきっかけは、公民館で開かれた地域防災講座。「近年、大規模自然災害へのリスクが高まる中、高齢者の避難や生活再建に向けて課題は山積み。日頃から顔が見える関係なら災害の時も協力しやすいのではと考えながら、ふと自宅にある井戸を思い出した」と振り返る。

 再生後は震災用井戸として市に登録するほか、「一年中台風が来るわけではないので、井戸を使って地域の皆さんと楽しいことができたら」と、地域コミュニティーの場としても活用する。井戸水で入れたコーヒーの提供や、草木染、ポンプの手押し体験なども行っていきたいという。クラウドファンディングサイト「READYFOR」で集まった資金は、古井戸再生の工事費と浄水器の購入費用に充てる。

 市民団体のボランティアとしてイベントに出店して以来、「自分が楽しくやっていることがどこかで役に立っている感覚にはまってしまった」と菊池さん。仕事で関わる地域づくりの場面でも「楽しくなければ続かない」を常に意識しているという。「地域に暮らす一人一人に暮らしがある。日々いろんなことがあるが、ここで暮らし続けたい思いは皆さんお持ちだと思うし、楽しく暮らせるということは安心安全につながる。自分自身も近所付き合いが希薄だったが、友人の焼いたパンを販売するなどの『プチご近所デビュー』を通じて近所の方とあいさつができるようになったことがうれしい。大げさなことでなくても、ちょっと勇気を持ってみんなが踏み出せたら」と期待を込める。

 クラウドファンディングは、9月17日23時まで受け付ける。

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