学ぶ・知る

小平で「移動式子ども食堂」 逆転の発想、会食駄目なら自分が回る

主催の田中貴子さん(調理中はマスクを着用)

主催の田中貴子さん(調理中はマスクを着用)

  • 241

  •  

 小平の「移動式子ども食堂カモミール」が5月19日、1回目の食事を配布した。告知で知った利用者が多数訪れ、用意した約80食の配布は、およそ2時間で配り終えた。受け取った子どもたちからは「うれしかった」「また来たい」などの声が聞かれた。

参加したボランティアメンバー

[広告]

 配布時間に合わせ、中央公民館(小川町2)で行われた事前調理には市内在住の主婦を中心としたボランティアをはじめ、食材を提供する松屋フーズの社員、小平市や社会福祉協議会の職員など15人以上の協力者が参加した。

 テークアウト用の容器からこぼれないようにと、メニューは「ドライカレー」と「フルーツヨーグルトサラダ」を選んだ。調理トラブルなどもあったが、無事に82食を用意し、配布会場となる「サン珈琲」(小川町2)へ運ばれた。

 こうした「公民館で調理し、別の場所で配布する」流れが「カモミール」の特徴。主催する田中貴子さんは「公民館を渡り歩く」と表現する。

 通常、子ども食堂は子どもの「居場所づくり」と「貧困対策」が目的とされる。そのため、食事を取るスペースを備えた「食堂」であることが一般的だが、田中さんは「小平市には、子ども食堂がたくさんあっても(場所に)偏りがある」と問題提起する。

 同市には少なくとも5つの子ども食堂があり、そのうち3つは花小金井にある。「他の地域へ食事を届ける方法はないか」と悩んだ末、田中さんは「市中の公民館を利用する方法にたどり着いた」という。新型コロナウイルスの影響で会食ができない今、常設しないという逆転の発想が「より多くの子どもに、食事を届けられる気付きにつながった」と振り返る。

 23年間、市の職員として小学校で給食を作ってきた田中さん。その経歴を生かして、学校や市など多方からの協力を得て今回の開催に至った。「田中さんの人柄で集まった」という参加者らは「まだ1回目なので、段取りの悪い部分や宣伝の少なさを感じた」としながらも、「今回の経験を生かして次も頑張りたい」と意欲を見せる。

 今後の配布予定は以下。6月2日=上宿公民館、同16日=小川西町公民館、7月7日=上宿公民館、同21日=小川西町公民館。配布時間は全て17時~19時。子ども~高校生は無料。大人は300円。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース