
「従事する職員の安全が確保できない」として凍結していた清瀬市直営の養蜂事業を、民間事業者に業務委託し官民連携で継続するめどが付いた。市の定例記者会見で8月22日、明らかにした。
市によると、6カ月分の事業経費225万円を一般会計補正予算案に盛り込み、9月の市議会定例会に提出。可決されれば、10月から隣接する東久留米市の養蜂業者に業務委託。屋上の養蜂を再開し、来春の蜂蜜採取を目指す。
市営の養蜂場は2014(平成26)年3月、「東京清瀬市みつばちプロジェクト」としてスタート。職員が市役所庁舎屋上で養蜂に取り組む全国的にも珍しい事業と話題になった。
採取した市役所産の蜂蜜は「Kiyohachi(きよはち)」として商品化。2015(平成27)年からは、ふるさと納税の返礼品に加えるほか、地元企業などと連携して商品開発を行い、地元のブランドとして育ててきた。
しかし、プロジェクトを担当する職員がミツバチに刺され、アレルギーによるアナフィラキシーショックで一時意識不明になるなどの事態が発生。市は「安全性が確保できない」として、2022年秋から事業を凍結していた。
渋谷桂司清瀬市長は「市直営では限界がある。今後は民間事業者の力を借りて、持続可能な形で継続していければ」と期待を込める。