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ムサビの学生が1週間かけ木彫滞在制作 小平で作品公開

木彫滞在制作の様子

木彫滞在制作の様子

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 武蔵野美術大学彫刻学科の学生6人が現在、「ルネこだいら」(小平市美園町1)で1週間かけて木彫滞在制作に取り組んでおり、完成作品を平櫛田中(ひらくしでんちゅう)彫刻美術館(学園西町1)の記念館で8月23日から公開する。

細かい部分をノミで削る

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 同企画は、同館を管理する小平市地域振興部の呼び掛けで実現した。今まで個別の連携はあったが、同大、小平市文化振興財団(ルネこだいらの指定管理)、同館の3者が一緒に行うコレボレーション企画は今回が初めて。

 「美術館で作品鑑賞はできるが、実際に彫刻家が制作するアトリエの風景を見ることはできない。しかし、木の塊が削られて形が現れていく制作の過程は、彫刻の作り手と木(材)との真剣勝負の時間でもある。このイベントを通して少しでも彫刻の世界を楽しむきっかけになってほしい」と、同市地域振興部の篠崎さんは話す。

 取材日に制作していたのは、犬をイメージして粗削りをしている吉村清花さん、山にかかる雲を制作中の趙●偲さん、女性の多面性を表現している木村桃子さんの3人(●は言べんに迂のつくり)。木目がきれいで扱いやすい木材・クスノキを削るため、入り口から木の香りが立ち込め、ノミの音が響き、五感が刺激される会場となっていた。制作者に直接質問できるのも特徴。制作者側も「美術に詳しくない人の感想が聞けて新鮮」だという。今回、木彫に触ることができるのも特徴で、制作中だけでなく、美術館展示後も触れられるように展示ケース無しで飾る予定だ。

 8月19日には、平櫛田中賞を受賞した同大の三沢厚彦教授を交えて木彫のワークショップも開き、削り出された木片「木っ端」の色付けなどを行った。

 「未来の平櫛田中賞を担う新しい作家たちが、脈々と続く木彫の歴史の中でどのような彫刻の世界をつくり出していくのか、楽しんで観賞してほしい」と篠崎さん。同館で開催される作品展は「でんちゅうストラット」と銘打たれ、彫刻家・平櫛田中を支柱(ストラット)とし、学生たちに胸を張って(ストラットのもう一つの意味)道を歩んでほしいという意味が込められているという。

 木彫滞在制作は21日まで(9時~17時)。作品展「でんちゅうストラット」は8月23日~9月4日(10時~16時)。いずれも入場無料。

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