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田無神社にキッチンカー・カフェ「風薫る 神社なおきち」 参拝客の憩いの場に

田無神社の舞殿前にオープンした古民家風のキッチンカー・カフェ

田無神社の舞殿前にオープンした古民家風のキッチンカー・カフェ

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 田無神社(西東京市田無町3)の境内にキッチンカーのカフェ「風薫る 神社なおきち」がオープンして3カ月が過ぎた。手いり豆のコーヒーを中心に手作りのドリンクやスイーツを提供し、境内に漂うコーヒーの香りと古民家風の外観が参拝客らの好評を得ている。

東ティモール産「レティフォホ」を鉄瓶で手いりしたコーヒー

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 田無神社の境内には五龍神が祭られ、本殿には江戸時代の技術を継承する名工・島村俊表の彫刻が施され、東京都指定文化財となっている。近年パワースポットとしても話題で、全国から足を運ぶ参拝客も多い。

 出店するのは、田無駅北口でカフェを営業する「田無なおきち」(田無町4)。鉄瓶を使い焙煎(ばいせん)したコーヒーと、麹(こうじ)などの発酵食品や無化調にこだわったランチやスイーツを提供する店として2008年に開業した。田無神社で2012年から5年間、境内で手仕事作品や小商いのイベント「やおよろずのさんぽ市」と、音楽イベント「タナシインドラフェス」を開催。2016年には市内にあった古民家の庭と蔵を利用した小商いやワークショップのコミュニティー「にわとくらプロジェクト」を立ち上げ、2017年に多摩六都科学館からの委託により2号店「六都なおきち」をオープンするなど、地域と小商い・文化をつなぐ場づくりをしてきた。

 境内での出店は、同店オーナーで「にわと蔵」の社長も務める佐藤うららさんが親交のあった先代の宮司から「境内で茶屋を開いてほしい」と依頼されたことが縁という。「神社を訪れる人がゆっくり憩える場を作りたい」という現宮司の賀陽智之さんの思いも後押しとなり実現した。

 キッチンカーは「苔生す珈琲屋台」がテーマ。市内に作業工場を持つ「SOUL ART&ROD」(武蔵野市境3)の伊藤創さんがデザインし、日本家屋の造作や、古民家のガラスを加工するなど、職人たちのこだわりが詰まった一台を作り上げた。その古民家風の外観を写真に収める参拝客も多い。

 「風薫る 神社なおきち」はコーヒーのほか、チャイや小さな焼き菓子を販売している。訪れた参拝客は「お参りした後に一息つける」「コーヒーの香りに誘われて立ち寄った」などと話している。佐藤さんは「さまざまな人の思いが形になった、手作りのコーヒー屋台。一杯のコーヒーからつながるご縁を楽しみに来てほしい」と笑顔で話す。

 営業は毎週土曜・日曜。11時から夕暮れまで。

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