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小平「アトリエひろみ」の畳べりを使ったバッグが人気 納品まで半年

店主の小左古ひろみ(こさこ)さん。父の方針で半ば無理やり3年間通った洋裁学校。「でも長い人生を通してみると、とても役に立った」と振り返る

店主の小左古ひろみ(こさこ)さん。父の方針で半ば無理やり3年間通った洋裁学校。「でも長い人生を通してみると、とても役に立った」と振り返る

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 小平の「アトリエひろみ」(小平市大沼町2)が製造・販売する畳べりを使ったバッグや小物が人気を集め、予約が半年先まで埋まっているという。

バッグの内側にはしっかりとした裏地。ポケットの数や留め具など、客と相談しながら仕様を決めていく

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 「バッグはほぼ受注生産。会話をしながら、その人に似合う色や柄を決めていく」と店主の小左古ひろみ(こさこ)さんは話す。小左古さんが作るバッグの特徴は、派手な柄と、しっかりとしたキルティングの内張りにある。

 「畳べりバッグの多くは内張りが無いか、あってもすごく薄い生地。これでは中の物を保護できず、なぜしっかりとした内張りを作らないのか疑問に思った」という。小左古さんは研究を重ね、しっかりとした内張りのある今の製法にたどり着いた。

 こうした特徴は利用客にも好評で、バッグとしての使い勝手に加え、さまざまな生地を内張りにできるため、柄を選ぶ楽しさも生まれた。

 畳べりでバッグを作り始めたのは10年前。実家に帰省した際、近所の人から勧められたのがきっかけだった。洋裁学校を卒業した経歴もあり、これなら自分にも出来そうと感じた。「あのとき勧められなければ、やっていなかった」とも。

 最初は知名度も無く、全く売れなかった。営業をかけても、畳べりを使った商品はまだ一般的でなく反応も薄かった。しかし、昨今のハンドメードブームに乗って、畳べりを使った小物類は密かに人気を集めていった背景もあり、小左古さんの地道な営業活動は徐々に実を結び始める。定期的なオーダーが入るようになり、小平の店に商品を納品するようになった。

 アトリエ前の広場で行う年に一度のセールでは、新聞に折り込みチラシを入れ多くの客でにぎわいを見せる。作り置きの商品はほぼ売り切れとなり、数十件のバックオーダーを抱える。製造と販売を一人で手がける小左古さんにとってはうれしい悲鳴だ。

 「今は予約が半年先まで埋まっていて、商品を渡すまでに時間がかかってしまう」と申し訳なさそうな表情を浮かべる小左古さん。今後については、「人手があれば(小平の)駅前に店を出したいが、今はアトリエを回すので精いっぱい」と笑顔を見せる。

 営業時間は10時~17時。土曜・日曜定休。

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