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清瀬市郷土博物館で「谷口ジロー展」 作中に清瀬の風景、原画55点展示

清瀬市郷土博物館の学芸員、古川百香(ゆか)さん

清瀬市郷土博物館の学芸員、古川百香(ゆか)さん

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 清瀬市郷土博物館(清瀬市上清戸2)で1月23日、「孤独のグルメ」「神々の山嶺(いただき)」などの作品で知られる漫画家、谷口ジローさんの特別展「歩く、描く 谷口ジローと清瀬」が始まった。

原画55枚を展示

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 谷口さんは鳥取県出身。1971(昭和46)年に「嗄(か)れた部屋」でデビュー。1976(昭和51)年に清瀬市へ転居し、晩年の2000年まで同市で過ごした。「犬を飼いたくて清瀬に引っ越して来たと聞いている」と同館学芸員の古川百香(ゆか)さんは話す。実際、谷口さんの作品には犬が多く登場する。

 西武池袋線清瀬駅南口近くにアトリエを構え次々と作品を発表していった。作中で登場する風景は周辺地域の特徴を色濃く残す。特に1990(平成30)年に発表された「歩くひと」では、柳瀬川周辺や清瀬駅南口商店街など、同市のさまざまな場所が登場する。

 古川さんは「作中で舞台の説明などは一切ない。でも、清瀬市民ならすぐにどこか分かる」という。谷口さんはこの作品をきっかけに海外で高く評価され、特にフランスでの知名度は高い。「作品を読んだフランス人が思う日本の風景が、実は清瀬だと考えると、とても面白い」古川さんは笑顔を見せる。

 同展では、清瀬市とその周辺地域の風景が描かれた作品にフォーカスして展示する。「見どころは壁面に展示する原画55点」と古川さん。「細密なペン使いや、スクリーントーンで表現した陰影など、谷口さんの画力を生で見られる貴重な機会」だという。

 書籍などの関連グッズ販売にも力を入れており、同展オリジナルカタログも用意した。古川さんは「カタログでしか読めないコンテンツもある。谷口ジローと清瀬を感じられる一冊に仕上がった。記念として手にしてもらえれば」と、来館を呼びかける。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は500円。3月19日まで。

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