「白梅学園清修(せいしゅう)中高一貫部」(小平市小川町)の生徒が製作した鉄道模型が、3月1日~5日に中央公民館(小川町2)で開催された「第35回こだいらオール公民館まつり」で一般公開された。
銀山温泉で取材したものを再現。温泉街を流れる川、山間の滝。団子の食べ歩き、ガイドツアーなど、観光地の賑わいを描きだす
作品は、幅90センチ、高さ45センチのモジュールボードに、深く落ち込んだ谷間にひしめきあう温泉街と、鉄道の赤い橋梁(きょうりょう)が印象的な風景を、鉄道模型とジオラマで表現する。製作したのは「鉄道模型デザイン班」の生徒で、現地を日帰り取材した山形県の銀山温泉にインスピレーションを得たという。
アニメや映画の作中風景をモチーフにした、「ファンタジー色あふれる」ジオラマを得意とする同校。作品は、昨年8月の「第14回全国高等学校鉄道模型コンテスト全国大会」で高く評価され、モジュール部門の優秀賞を受賞した。ファンタジーモチーフにする理由について、顧問の中澤亜紀教諭は「実は、生徒たちは電車にあまり興味がない」と話す。
同校の鉄道模型デザイン班は2012(平成24)年、近隣で活躍するプロに指導を仰ぐエリアコラボレーションの放課後課外活動としてスタート。中学1年生~高校2年生の生徒で構成し、週1回、活動している。
作品は19人の生徒らが中心となり、学年ごとに役割分担して製作に当たった。ジオラマの大部分を覆う針葉樹は中学2年の生徒らが製作を担当。「1本作るのに2時間くらいかかった」と振り返る。全部で250本製作し、実際に配置できたのは100本程度。「木々の間からバスが通る山道を見えるようにしたり、奥の街並みと滝が絶景になるようにしたりするなど、意図的に本数を調整した」という。
足湯、浴衣モデルとカメラマン、団子の食べ歩き、ガイドツアーなど、生徒らは温泉街を歩く人々のストーリーをジオラマの中に表現する。生徒の小野川聖美(おのがわさとみ)さんは、「足湯に使うお湯、山間の滝や流れる川など、異なる水の表現に特に力を入れた」と話す。会場では、製作した生徒らが訪問者に作品を説明する様子が見られた。
勉強との両立が難しく方向がずれてしまうこともあったが、「何度も話し合いを重ねながら、全員で同じ目線で最後まで作り続けることができた」と、生徒らは振り返る。
中澤教諭は「大会に出場し始めて11年。生徒らは一貫して女性らしい魅力にあふれた作品を作り続けている。そこが最大の魅力」と笑顔を見せる。