東村山の風物詩「菖蒲まつり」が新型コロナウイルスの影響で中止になった代わりに、レース用のドローンで撮影した動画が現在、ユーチューブで公開されている。
「菖蒲まつり」は、トトロの舞台になったともいわれる八国山緑地に隣接する北山公園(東村山市野口町4)で毎年行われる恒例行事。約8000株のハナショウブが楽しめるとあって市外からの観光客も多く、ご当地グルメや物販の出店で例年盛り上がりを見せるイベントだが、世情を鑑みて今年の開催は見送られた。
東村山市まちづくり部みどりと公園課の担当者は「『菖蒲まつり』が中止になってしまい、公園の来場者へも飲食や密集の自粛をお願いしてきたが、毎年この時期を楽しみにしている皆さまに自宅や携帯電話から今年のハナショウブを楽しんでもらえるよう、動画を公開した」と話す。
撮影を行ったのは、ドローンレースチーム「JAPRADAR(ジャップレーダー)」を運営するアクティブガジェット(埼玉県所沢市)。当初は市が撮影する予定だったが、趣旨に賛同した同社が無償で協力を申し出た。レースで培った操縦技術とスピード感を生かして4分37秒の動画を制作する、公民連携の取り組みとなった。
「ドローン撮影では俯瞰(ふかん)で見る映像が定番だが、レース用のドローンが花の間をすり抜けていくように低空で飛行する、臨場感のある映像に仕上がったと思う。普段見ることのできない鳥や虫の目線で、今年もきれいに咲き誇ったハナショウブを鑑賞していただければ」と同担当者。
現在、北山公園のハナショウブは見頃を過ぎており、花芽を切り取る「芯切り」という管理作業に入っているという。