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平櫛田中の彫刻作品が3D画像に 「鏡獅子」など細部まで表現

撮影は3台のカメラを使って行われた

撮影は3台のカメラを使って行われた

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 小平市で晩年を過ごした彫刻家・平櫛田中の作品を3D画像にするための撮影が7月7日、小平市平櫛田中彫刻美術館(学園西町1、TEL 042-341-0098)で行われた。

館長の平櫛弘子さん(右)も見守る中、慎重にセッティングされた「鏡獅子」

 平櫛田中は生前、高村光雲に師事した後、岡倉天心や西山禾山の影響を受け、中国の故事などを題材に数々の作品を発表した彫刻家。現在も国立劇場のロビーに展示される高さ2メートルの代表作「鏡獅子」は、六代目尾上菊五郎をモデルに22年の歳月をかけて完成したもの。同館には、1965(昭和40)年に作られた高さ58センチの鏡獅子が展示されている。

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 作品を3D画像に加工する取り組みは初めてで、小平市立図書館が市史や絵図などをデジタル化して公開する「こだいらデジタルアーカイブ」の一環。この日は「唱歌君ヶ代」「尋牛(じんぎゅう)」「鍾馗(しょうき)」「鏡獅子」の4点が撮影された。被写体をさまざまなアングルから撮影して統合し、立体的な3Dモデルを制作する「フォトグラメトリー」の手法で、1作品につき160枚ほどのカットから映像にしていくという。

 撮影に立ち会った田中の孫で館長の平櫛弘子さんは「普段は見えない後ろ側も見られるので、いつもと違う作品を楽しんでもらえるはず。(見たことがある人も)細部はこうなっていたんだ、と気付きがあるのでは。3Dになることで、いろいろな楽しみ方ができるようになれば」と期待する。「昔なら美術館へ1日に何度も足を運ぶのも珍しくなかったが、今は予約をして鑑賞するところも多い。今後さらに、アートへの関わり方が変わってくるだろう」とも。

 映像は年末ごろまでに公開される予定。