小平で無農薬・有機野菜を販売する「おやさい公大(こうだい)」(小平市学園東町1)が6月、使っていなかった2階を生かして、1階でテークアウトした商品を持ち込めるイートインスペース「808-2F(やおやの2かい)」を開いた。
卵掛けご飯にぴったりという「濃厚たまご」や独特なネーミングの「アントキノトマト」など、1階の青果店「おやさい公大」には旬の野菜が並ぶ。店内には「コーヒー始めました。2階で飲めます」の案内を貼り出す。
2階にある「808-2F」の店内は約15平方メートル。カウンターやソファなどの席数は10席。茶色を基調とした空間は全て手作りだという。東側にある窓から入る自然光と、あえて光量を落とした照明がノスタルジックな雰囲気を演出する。
「実家が喫茶店」という店主の大浦公大(こうだい)さん。「スターバックスやドトールなどのカフェチェーンが増える一方で、昔ながらの喫茶店が消えていく寂しさを感じていた」という。
厚生労働省発表によると、喫茶店数は2008(平成20)年の29万店をピークに、現在は20万店まで減少している。一方で「純喫茶ブーム」など、昔ながらの喫茶店が持つノスタルジックな雰囲気が近年、再評価されつつある。
大浦さんは「雑誌などで特集されるようになって、最近は喫茶店巡りをしていた。中央線沿線には面白い店がたくさんある」と身を乗り出す。その中で、同店がある学園坂商店街には常設の喫茶店がないことに気付いた。「ならば自分で作ってしまえ」と、青果店と喫茶店の異色コラボが誕生した。
利用客は1階でドリンクを注文して、2階に持ち込んで飲食する。メニューは「コーヒー」「カフェオレ」(以上350円)などの定番の他に、「アントキノトマトジュース」(500円)や「濃厚たまごのプリン」(360円)など、青果店ならではのメニューもそろえる。
「音楽のライブイベントを開きたい」と今後の展望を話す大浦さんは、同店を地域のコミュニティーの場としても活用したい考えを持。会議や会食で貸し切りも可能。「地元の皆さんが居心地良く過ごせる場所を目指した。どうか気軽に使ってほしい」と呼び掛ける。
営業時間は11時~19時(2階は11時30分~)。日曜・月曜・木曜定休。