クルメディア(東久留米市東本町8)が運営する東久留米のコミュニティーFMラジオ局「TOKYO854 くるめラ(旧FMひがしくるめ)」(85.4Mhz)が7月17日、放送エリアを拡大し、従来の東久留米市に加え小平・清瀬市でも聴取できるようになった。これを記念して特別番組を放送した。
「TOKYO845放送エリア拡大記念」と名付けた番組は3時間半の2部構成で放送。第1部は「市長と共に新開局を祝う」と題し、小林洋子小平市長、渋谷金太郎清瀬市長、並木克巳東久留米市長が出演し、パーソナリティーを務める同社の高橋靖社長と対談した。各市の特色を紹介しつつ、市長のプライベートにも話が及んだ。
コミュニティーFMについて、各市長は「地域の情報発信だけではなく、災害時の情報インフラとして期待を寄せている」と話す。特に清瀬市は電波が届かないにもかかわらず、開局直後から災害時放送協定を結ぶなど、聴取を切望していた。
第2部は第2金曜20時から放送中の「ほくほくラジオ」をエリア拡大記念スペシャルとして放送し、3市の広報課職員らが各市の魅力を紹介した。
小梶雅善局長は「難聴取の開局だった」と、2018(平成30)年6月の開局当時を振り返る。電波出力は最も少ない2ワットしか、総務省の認可が下りなかった。「不安は感じたが、事前の調査では聴取できていた」という。だが、いざ開局してみると、勾配の多い地形が影響して、同市の半分ほどでしか聴けなかった。「東久留米のFM局なのに市内で聴けない」というジレンマを解消するため、これまでスマホアプリなど対応してきた。
そうした中、小平・清瀬市の職員らが出演する番組「ほくほくラジオ」がスタートする。両市の現役職員がボランティアで制作するこの番組は、異なる市の職員が連携して、電波の届かない隣市のコミュニティーFMを盛り上げる。このユニークな取り組みが「今回のエリア拡大の原動力の一つになった」と高橋社長は話す。
今回のエリア拡大で電波出力は10ワットに増強され、電波の届きにくさは大幅に改善された。これまでの約12万人に向けての放送が、今後は3市わせて約39万人に向けた放送となる。高橋社長は番組の中で、初めて放送を聴くリスナーに対し「役に立つ放送をしていきたい」とアピールした。
生放送を見守る小梶局長は、「今日がスタート」と笑顔を見せた。